ガラス工芸の豆知識
色々なガラス素材 |
世界には色々なガラスがあります。それはガラス工芸に限らず
工業用など多種多様になります。
ここではそんなガラスたちをご紹介いたします。
|
| ソーダ石灰ガラス(そーだせっかいがらす、soda-lime glass) |
ガラスの一種であり、現在最も広く利用されているものである。
ソーダガラスなどとも呼ばれ、安価なことから板ガラス、ガラス瓶などに
広く利用される。
ソーダ石灰ガラスはケイ砂 (SiO2)、炭酸ナトリウム (Na2CO3)、
炭酸カルシウム (CaCO3) を混合して融解することにより得られる。
炭酸ナトリウムを加えると融点は 1,000 ℃近くまで下がり加工が容易に
なる。しかし炭酸ナトリウムを加えると水溶性になるため、さらに
炭酸カルシウムを加えることでこれを防いでいる。
ソーダ石灰ガラスは、ケイ素原子、酸素原子からなる正四面体構造が
連なったケイ酸イオン中にナトリウムイオン (Na+)、カルシウムイオン
(Ca2+) が入り込んだケイ酸塩の構造をとっている。ガラス転移点は
730 ℃で融点は約 1,000 ℃。
ソーダ石灰ガラスの小片をガスバーナーの火炎中に入れるとナトリウム、
カルシウムの混じった炎色反応がみられる。また、粉々にくだいて水に
入れると微量の Na+、Ca2+ が溶け出し加水分解が起こり、わずかな
塩基性を示す。
|
| カリガラス |
ボヘミヤグラスをはじめ、ヨーロッパで古くから使われている素材です。
鉛の代わりにカリウムを使っており、透明度の高さ、光沢の美しさが
特徴です。
|
| クリスタルガラス |
高品位の無色透明ガラスのこと。一般的には、珪砂、カリウム、
ソーダ灰というガラスの主成分に、酸化鉛(PbO)を添加して形成される
鉛ガラスの一種のこと。
ガラスの透明度と屈折率が高まり、その輝きから水晶(クリスタル)の
ように透明なガラスということで、通称として「クリスタル」と呼ばれる。
酸化鉛が硝子全体の25%以上のものを、クリスタル(レッドクリスタル
・フルレッドクリスタル)、12%程度以下のものをセミクリスタルと呼ぶ。
一般的には、鉛の含有量が上がるほど光の透明度や屈折率が高く
なる。その実現には、溶解・成型・徐冷・加工などの高度な製造技術や
他の混合物等の配合も重要な要因であり、一概に鉛の含有量と
イコールではない。
|
| 石英ガラス(せきえいガラス) |
石英 (SiO2) から作成されるガラスで、SiO2 純度が高いものをいう。
溶融石英、溶融シリカ、シリカガラスなどとも呼ばれる。耐食性、耐熱性
にすぐれ、非常に透明なことから、理化学用途や光ファイバーの材料
などに幅広く用いられる。
古典的な製造法は水晶の粉末を2000℃以上で溶融、冷却しガラス化
する方法である。しかし、この方法で作られた石英ガラスは不純物が
多い。
純度の高い石英ガラスを必要とする場合は、四塩化珪素 (SiCl4) の
気体から化学気相蒸着 (CVD) によって製造する。例えば光ファイバー
を製造する場合には、B(ホウ素)などを添加して屈折率が低くなる
ように調整した石英ガラスのチューブを用意し、その内側に前述の
方法で SiO2 を析出させて作製する。
高温を必要としない製造プロセスとしては、ゾル-ゲル法がある。
ゾル-ゲル法は、金属アルコキシドの溶液からゾル状態、ゲル状態を
経て固体のガラスやセラミックスを得る方法である。ゾル-ゲル法による
石英ガラスの製造では、テトラエトキシシラン (Si (OC2H5) 4) を
エタノール水溶液中で加水分解して石英ガラスの多孔質湿潤ゲルとし、
これを乾燥・焼結して透明な固体の石英ガラスを得る。焼結温度は
1200℃以下で、これは他の方法と較べてかなり低い温度である。
石英ガラスは他のガラス同様に熱伝導率が小さいが、熱膨張率も
非常に小さい(約10-7/K)ため、急激な温度変化による熱衝撃の
影響をあまり受けない。そのため、赤熱した石英ガラスを水中に放り
込んでも、ガラスコップのように割れてしまうことはない。
|
| 偏光ガラス |
内側に特殊な被膜を多層コーティングしたガラスで、光が当たる角度に
よって色が変化して見えるのが特徴です。
|
| 強化ガラス(きょうかがらす) |
表面を圧縮して破壊に対する抵抗性を高めたガラスのこと。
高い弾性率、剛性率をもちながら透明であるガラスは非常に有用な
素材であるが、脆いため衝撃を受けると割れてしまうという致命的な
欠点が存在する。そこで、ガラスが容易に割れないようにするために、
表面を圧縮して破壊に対する抵抗性を高める方法が考案された。
強化ガラスはその表面が圧縮によって強化されてるため、強化されて
いないガラスと較べて破壊に至る為の力は大きくなるが、圧縮層を
超えて割れが進行すると、内部には逆に引っ張りの力が存在している
ため、ガラス全体が瞬間的に破砕する。このため、強化ガラスが割れる
と粉々に割れる特徴があるが、これは割れた時の安全性の点から
するとむしろ好ましい特徴である。
一方、強化ガラスはその構造上、それを加工することが出来ないため、
強化のプロセスは製品製造工程の最後で行われる上記のような
性質から、強化ガラスは自動車の窓などに広く利用されている。
電子レンジを使用する場合に、耐熱ガラスの代わりに使用される場合が
あるが、強化ガラスは急激な温度変化で割れる場合があり危険である。
|
| 合せガラス |
2枚(特殊な場合は3枚以上)の板ガラスを、柔軟かつ強靭な中間膜を
はさんで、加熱、圧着して製造したガラスです。優れた飛散防止性能と
紫外線遮断の効果があります。
|
| 耐熱ガラス(たいねつがらす) |
熱膨張率を何らかの手段で下げて、急激な温度変化を加えても
割れないよう強化したガラスのこと。ビーカーなどのガラス
製理化学機器やガラスポットなどの耐熱調理器具の材料に広く
用いられる。
コーニング社のパイレックス (PYREX) が有名。この製品は、SiO2と
B2O3 を混合したホウケイ酸ガラスの一種で、熱膨張率は
約 3×10-6/K である。耐熱衝撃性に加えて耐腐食性にも優れている。
|
| 防弾ガラス(ぼうだんガラス) |
防弾など、防御力が必要な場合に用いられるガラスである。防弾や
防犯に用いられる。以前は硬化された分厚いガラスが用いられて
きたが、被弾時にひびが入って視界が妨げられること、破片が飛び散り
ホプキンソン効果により、場合によっては内部に被害が出る事から、
一時はプラスチック系素材への転換が試みられたものの性能が思わしく
ないため現在では主に、ガラスとポリカーボネートやビニール類とを
ラミネート構造にすることで製造されている。飛翔する銃弾などの衝撃が
加わった際、ガラスが破損することと、ラミネートされたプラスチック膜が
衝撃を拡散することで防弾性を得ている。
プラスチック膜を用いることによって比較的軽量であることもあり、戦闘用
車両にも好んで用いられる。防弾ヘルメットのバイザーに用いられる
場合、厚みは約3cmという。
構造によって防弾性能には差があるが、極端なものではロケット砲の
攻撃に耐えられるものすら存在する なお、規格としてUL-752などが
あり、強度が区分されている。
|
| グラスファイバー |
無機ガラスを溶融、牽引して繊維状にしたものである。通常、
光ファイバーはグラスファイバーとは区別される。
グラスファイバーの主な用途はファイバー強化プラスチック(FRP)である。
プラスチックにグラスファイバーを混合して固めることで、プラスチック
単体では得られない高強度、高靭性を持つ軽量な材料を得ることが
出来る。ただし、強度については経年劣化が生じ、使用開始後3〜5年
程度でも破損することがあるので、スポーツ用具やヘルメットなど人命に
関わる用具に使用する際には注意が必要である。
かつては高価な素材であったが、日本では1970年代後半頃から
釣り竿などから広く民生品に普及し始めた。グラスファイバーを
綿状〜板状に加工して耐熱断熱材として使われる他、スタッドレスタイヤ
のひっかき材としても使用されている
|
| 水ガラス |
|
珪酸ナトリウムの濃い水溶液である。珪酸ナトリウムを水に溶かして
加熱することで得られる。水飴状で大きな粘性を持ち、接着剤、耐火
塗料などとして利用される。粘土の粘性を低下させる力を持ち、粘度
調整用の添加剤として陶芸で使用される。水ガラスに塩酸などの
強酸を加えると、弱酸の遊離がおこってゲル状の珪酸が沈殿する。
この現象をケミカルガーデンと言う。理科の実験でよく題材にされる。
|
| ダイクロ |
ダイクロガラスとは、 ガラス板の片面に金属を真空蒸着
させたもの。 ベースとなるガラスには、透明(薄黄色)のガラスか黒の
色ガラスが使われる。 真空蒸着させる金属には、金・銀・銅・チタンなど
が使われる。 ベースになるガラスの色と蒸着する金属の組み合わせに
よって、虹色や玉虫色など、さまざまな色彩に輝く。 金属皮膜の厚みや
焼成温度によって、表面の金属が飛んでしまうことがあるため、
バーナーワークに使用する場合は注意が必要になる。
|
| ゴールドストーン・茶金石・砂金石・紫金石 |
茶や紺のガラスに銅の粉末が練りこまれており、銅が光を反射する
ことから砂金を固めたように見 える。
赤っぽい色のものは茶金石または砂金石、青っぽい色のものは
紫金石と呼ばれる。 天然石として売られていることが多いが、正確には
人造石である。ベースがガラスのため衝撃には比較的弱く、高温下では
溶ける危険性がある。
|
| 低融点ガラス |
ガラス転移点が600℃以下程度のガラス。電子部品において絶縁、
封止、接着等に広く用いられている。ホウケイ酸鉛系ガラスが多く
用いられていたが、環境負荷低減のために鉛フリー品の開発も
進められている。
|
| 金属ガラス |
金属ガラス(アモルファス金属)は、3種類以上のランダムに並んだ
元素から成る結晶でない金属。光ファイバーの接続用端子などに
用いる。圧力センサーとして使うと、ニッケルなどを主成分とした
金属ガラスで従来のステンレスの4倍近い感度で、センサーの
サイズも2ミリ程度まで小型化、軽量化できる。
|